キュービィが聞く!製作者インタビュー!

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第4回

  • あの白黒の世界は、まったく別世界になっていたかも!?
  • 今だから言える!ハコボーイ!音楽制作秘話

あの白黒の世界は、まったく別世界になっていたかも!?

キュービィ:前回はステージの作り方を聞きましたが、ステージで特徴的なのは、シンプルなあの白黒の世界だと思うんです。

ハコムカエ:あれはね、元々、企画意図を説明するための最低限のデザインだったんだ。

キュービィ:エッ?もしかして、ボクのデザインと同じように、最初のデザインをそのまま採用しちゃったパターンですか?

ハコムカエ:うん。

キュービィ:やっぱり!でも、途中でデザインを変えようとは思わなかったんですか?

ハコムカエ:製品にするときは、さすがにもうちょっと賑やかにしなきゃいけないかなって思ったよ。それで、デザインリーダーのイトウさんにデザインをいろいろ考えてもらったんだ。

キュービィ:どんなデザインですか?

ハコイトウ:背景にたくさん装飾を入れたり、地形を黒とは別の色にしたり。単純に色を変えるだけじゃなくて、モチーフをどうするかも考えたね。

キュービィ:モチーフ?

ハコイトウ:たとえば、地形をジグソーパズルにしたらどうかとか、ハンコの世界にしたらどうかとか、クロスステッチはどうかとか。

キュービィ:へぇ〜!もし地形がジグソーパズルだったら、どんな世界になってたんだろう…。

ハコイトウ:そういう案を数十案描き起こしてみたんだよ。

ハコムカエ:3〜4ヵ月は考えてたね。

キュービィ:エーッ、そんなにですか!?

ハコイトウ:そうやっていろいろ考えたけど、最終的には白黒の世界に決めたの。

キュービィ:せっかくたくさん考えたのに…。ずいぶん大胆な決断ですね。

ハコミツハラ:カラーじゃないし、立体でもないし、ニンテンドー3DSの機能をあますことなく無視してるよね(笑)。

キュービィ:いいんですか、そんなこと言っちゃって。

ハコムカエ:今のシンプルなデザインを選んだ理由は、まさにそこなんだ。ほかのソフトはすごくいろんな色が使われてるよね。そういうのと並んだときに、白黒のデザインはパッと目を引くってことで採用したんだ。

キュービィ:確かに、目にとまります。ふつうなら、目立たせるために色をつけたり、モチーフを加えたりしそうですが、そうせずに、あえてシンプルなデザインで勝負したってことですか。なかなか深いですね〜。

ハコムカエ:キュービィ、この作戦、マネしてもいいよ。

キュービィ:ありがとうございます!でもボク、すでにシンプルなデザインなんですけど…

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今だから言える!ハコボーイ!音楽制作秘話

キュービィ:画面のデザインとともにゲームに欠かせないのが、音楽です。ハコボーイ!の音楽は、ほかのゲームとはちょっとちがう独特な雰囲気ですが。

ハコムカエ:最近のゲーム音楽って、いろんな楽器を使ったオーケストラサウンドが多いよね。

キュービィ:そうですね。まるで映画音楽のような、豪華な印象のものが多いです。

ハコムカエ:でも、このゲームはファミコンやゲームボーイのシンプルなテイストを踏襲してるから、その時代の8ビット的な音を意識してつけたんだ。

キュービィ:ピコピコした音ですか。

ハコムカエ:うん。ゲームボーイ的な音源だから、ちょっとノスタルジーな気持ちにひたれるんじゃないかな。

キュービィ:懐かしさを感じたのは、そのせいだったんですね。

ハコムカエ:キュービィ、ゲームボーイの音楽なんて知ってるの?つい最近生まれたばっかりでしょ?

キュービィ:エッ…!

ハコミツハラ:もし聞いたことあったら、年齢詐称ってことになるぞ。いや、年齢は公表してないか(笑)。

キュービィ:ホントは知りません。知らないけど、なぜか懐かしく感じましたよ。

ハコイトウ:そういうことあるよね。初めて食べたのに懐かしい味がするとか、初めて来た場所なのに妙に落ち着くとか。

キュービィ:そうそう、そうなんです。まさにそういう不思議な感覚がありました。音楽は、はじめから狙い通りに作れたんでしょうか?

ハコミツハラ:「カービィ」と同じ人が担当したんだけど、「カービィ」とかなり毛色がちがうから、ずいぶん苦労したみたいだよ。

キュービィ:どんなところに苦労したんでしょうか?

ハコムカエ:音を作る人って、画面のデザインを見て音を決めるそうなんだけど、このゲームって、とことんシンプルに作られているよね。

キュービィ:ええ、余計なものは一切ありません。

ハコムカエ:ほかのゲームによくある草原とか空とかのモチーフもないから、どんな音をつければいいか、すごく難しいって話してたよ。

キュービィ:なるほど。現実の世界に近ければ、そこに流れる音楽はイメージしやすいですけど、今までにない世界だとそういう大変さがあるんですね。

ハコムカエ:でも苦労したぶん、いいものができたと思うよ。

キュービィ:いいデザインに、いい音楽がついて怖いものなし。ハコに金棒…じゃなくて、「鬼に金棒」ですね。

ハコミツハラ:あとはキュービィが人気者になってくれるだけだね。

キュービィ:エッ…えーっと…そうですね。頑張ります。じゃあ、ボクはこのへんでドロンします。

ハコミツハラ:そんなところまでノスタルジーにしなくても!(笑)。

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